2021年6月4日(金)に公開された映画『劇場版少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト』を観てきたんだけど、元々個人的にこのコンテンツが大好きなこともあって感想記事が1記事に収まらないから何記事かに分けて書く
初見時はクソデカ感情の情報過多で脳が処理しきれなかった。
何回か観てやっとストーリーの解像度が上がったし、それでも何回でも観たいし、これは可能な限り映画館で観るべきだと思った。
下記から感想と考察です。
!!注意
以下の内容は映画『劇場版少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト』のネタバレを含みます。
未鑑賞の方はご注意ください。
序盤(進路相談)
今作品のあらすじに
「愛城華恋。聖翔音楽学園3年生。最後の星祭りが幕を上げる」
の記載があったようにもうすぐ卒業する彼女たちの進路相談のシーンが導入部分。
天堂真矢、露崎まひる、石動双葉は新国立第一歌劇団。花柳香子は京都に帰って襲名、西條クロディーヌはフランスへ。星見純那は大学、大場ななは役者か裏方かどちらに進むべきか悩み中。
同じ進路の子達もいるけど、TVアニメで見ていた所謂組み合わせの子達(ふたかお・真矢クロ・じゅんななな)は別々の進路だとここで分かる。
もうこの後絶対なんか一悶着ありそうだなってのを感じる。
そして、愛城華恋の進路調査用紙は白紙。神楽ひかりは自主退学済。
『何故、行ってしまうのだ。友よ。』
日本とロンドンで同じ物語を演じる華恋とひかり。その台詞の重み、意味深いものをそれだけでこの二人の関係を表していることを十分に感じた。
皆殺しのレヴュー(ワイルドスクリ———ンバロック開演)
レヴュー曲:Wi(l)d-screen Baroque
劇団の見学先へ向かう電車に乗っていると例のオーディション通知音が車内に鳴り響き、つり革にはいつの間にか上掛けがかかっていた。日常が非日常へと変わるようなこの演出、正直めちゃくちゃワクワクした。
レヴュー衣装を身にまとい、彼女たちが舞台道具を構える先にいたのは、大場なな。
きゃー!!さっそく戦闘モード全開の大場ななさん!!かっこいいー!!!
とか思ってた矢先、
『ワイルドスクリ———ンバロック開演』
『皆殺しのレヴュー』
の表記
ワイルドスクリ———ンバロック???
“リ———ン”のところ長くてちょっと気になる
……皆殺し???
少女たちの今回最初のレヴューに『皆殺しのレヴュー』なんて物騒なタイトルつけるのまじで!!?
この時点でもう困惑していると、大場ななが先制攻撃にかかる。
これ、実質1対6のレヴュー。香子が「オーディションや!次こそうちがトップスタァになる!」って言ってたようにオーディションだと思われたが、「これはオーディションに在らず。」と大場なな。
これはもうすでに舞台の上であることを示してるんだけど、他の子達はまだ理解してないんだよね。私も初見時分かってなかったし。
大場ななの圧倒的強さ(意思)に次々に上掛けを外される彼女たち。
純那ちゃんなんて「こんななな、知らない。」と困惑し、その場に突っ立ったまま大場ななに上掛けを外されてしまう。
大場ななさん、ここまで刀1本で戦ってるんですよ。しかも左手で。
彼女が二刀流なのは知ってたけど、もしかして左利きなのかな?でもTVアニメでは右手だけでレヴューしてたこともあるし……両利きか!!?えーやば。惚れ直しちゃった。かっこよすぎる。
石動双葉、花柳香子、露崎まひる、星見純那の上掛けを外したところで、別車両からもう一つの刀が届く。
「やっときた。」と片手でスパッと取る大場ななさん。カッケ〜〜!!!
「列車は必ず次の駅へ。では舞台は?私たちは?」
突然の問いに困惑するレヴュー参加者と私。
「観客が望むなら、私たちはもう舞台の上。」
唯一答えを返した天堂真矢。
ここ、初見は本当に「??????」だったんよ。
あんな突然のレヴュー開始で自分たちはもう舞台の上にいる演者だと認識できてた天堂真矢さんすごすぎでは???これがThis is 天堂真矢……
大場ななと天堂真矢が対峙する中で「ちょっとどういうこと!」と視聴者の今の気持ちを代弁するかのように割って入ってくる西條クロディーヌ。
でも二人はもう役に入りきってるから答えないんだけど、この後の西條クロディーヌさん、
「私の”台詞”を無視、するなー!!」
って言ってるんだよね。
この時点で上掛けが残ってるのって大場なな、天堂真矢、西條クロディーヌの3人で、これはここが舞台の上だと認識できてるから残れてるって考えられるんだけど、西條クロディーヌだけはこの状況を理解できていないように見える。でも”台詞”を無視するなと言ってる。
これいろいろな解釈があると思うけど、私が思うに、西條クロディーヌは子役として幼い頃から何度も舞台の上に立ってた経験から、舞台の上には”意識”して立つものではなく、ありふれた日常の一つとして”無意識”に立っていたから今回も舞台の上には立つことだけはできたんじゃないかな。
この後大場ななさんに「クロちゃん、ちょっと喋りすぎ。」って上掛けを取られちゃうんだけど。
ここから大場ななと天堂真矢の一騎討ち。ポジション・ゼロを獲得したのは大場なな。
ふぅ、と前髪をかきあげる彼女はもうそれはそれは恐ろしくて美しかった。ゾクゾクした。
「なんだか、強いお酒を飲んだみたい……」
次の台詞を口にする大場なな。
思わず「え……」と溢す純那ちゃん。私も最初は「??????」だったよ。
もう一度同じ台詞を言う大場なな。それでも困惑する純那ちゃん(と私)。三度目の正直のように「だーかーらー『なんだか、強いお酒を飲んだみたい。』」と大場なな。
「だーかーらー」の言い方がめちゃくちゃ不機嫌でイライラしてるのが伝わってくる。でもやっぱり理解できない。
純那ちゃんが「私たちまだ未成年だよ……?」と思わずマジレス。
そりゃそうなるよな……
でもここは舞台の上だから”台詞”を言うのが正解なんだけど、純那ちゃんは理解できてないから演じることができなかった。
その結果、突然の首から流血。後に花柳香子、露崎まひると次々に流血。
大場ななの「私たち、もう死んでる。」
これ、初見時本当にびっくりしたし、電車事故で死んだのか!?なんて安直な考えをしちゃったんだけど、実際は舞台少女としての”死”を表してるんだよね。
舞台の上で台詞を言わなかった、演じなかった=舞台少女の死
天堂真矢はすぐ舞台装置だと気づいてた。
額から血を流しながら「狼狽えるな!!」と周りを鼓舞する。かっこいい〜!!
そして、自分たちの亡骸を見て自分は舞台少女として今後どう舞台に立つべきかをそれぞれ考えを改め、トマトを燃料として”アタシ再生産”をし、一人ひとり自分の気持ちにケリをつけるためにそれぞれのレヴューへと立つ……
総括
ここまで序盤だし起承転結の起なんだけど、迫力満点だし、何より大場ななさんがかっこいい。
TVアニメでは7話までのほほんとてた(視聴者視点から)大場ななさんが劇場版では初っ端からブチかましてくれた。殺陣かっこよ。最高。ありがとうございます。って感じです。