『劇場版少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト』 感想と考察③ 狩りのレヴューと魂のレヴュー【ネタバレ注意】

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画像引用:少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト

映画『劇場版少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト』の感想と考察②の続きです。

!!注意

以下の内容は映画『劇場版少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト』のネタバレを含みます。
未鑑賞の方はご注意ください

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狩りのレヴュー (星見純那と大場なな)

レヴュー曲:ペン:力:刀

星見純那と大場ななのレヴュー。TVアニメで見たつもりでいたけど実はこの二人のレヴューってやってなかったんですよね。純那vsななも見たかったレヴューだ……

『皆殺しのレヴュー』の終盤で自分の死体と隣り合わせに並ぶシーンで舞台少女たちのそれぞれの決意、例えば大場ななの「あの子への執着、彼女へのケリを。」みたいなのが聞けたんだけど、星見純那だけは「ケリをつけるって…いったい何に……?」とわかっていない様子だった。

大場ななはTVアニメで第99回聖翔祭を再演し続けた理由の一つとして、メインキャストの舞台少女たち全員が自分がトップスタァになりたいっていう眩しすぎるキラめきがあったからだと思ってて、その中でも星見純那は特に「私が主役、私がトップスタァになる!」と強い意思を持っている子だという印象を受けた。

でも、彼女は序盤の進路相談パートで愚直に舞台について学ぼうと大学進学を決めていて、新国立劇場へ向かう電車の中で西條クロディーヌに「主役になりたくてもあなたたち2人(真矢クロ)には敵わないわ…今はね。」と言う。

これ、純那ちゃんが大人になった、なっちゃったからこその思考なんですよね……

自分の実力を、現実を客観的に見て、“自分が将来主役を演じる”ために今どうするのがベストなのか考えた結果なのよ。

純那ちゃんはもう自身にケリをつけたつもりでいたんですよね。だから「ケリをつけるって…何に…?」ってなっちゃったわけ。

そんな星見純那を見つめる大場ななの表情は……なんていうんだろう…好きだったものを見る目…まだあの頃のキラめきを純那ちゃんに求めてるようなそんな顔をしていた。

大場ななも卒業後は九九組のみんなと離れて新しい道へ進まなければならない。

その先に進むために誰よりもスタァを目指していたあの子への、変わってしまったあの子への執着にケリをつけて進まなければいけない。そんなふうに思ってるんだろうなって感じた。

スクリーンに映される『大場映画株式会社』。映画鑑賞前に流れる『東映』みたいなやつ…

そして放映される例の電車内での西條クロディーヌとの会話で口にした星見純那の例の台詞。

ここ、実際の台詞と少し違うんですよね。あの会話を聞いて大場ななには星見純那がそう言ってるように聞こえたものが台詞になってるんだよねきっと……

そして膝を落としている星見純那の前に自分の刀を差し出す大場なな。片足で差し出してるのがなんとも言えない絶望感があってゾワゾワした。

キラめきがない『今の』星見純那本人に切腹を求める大場ななさん、最高にクールです。好きです。

舞台セットが変わり、猛獣として捕らわれる大場なな。

それを仕留めようとする星見純那。

星見純那は自分の弓で舞台に立つ。

私にはこの武器と自分を支えてくれる偉人が残した言葉がたくさんある。と次々に矢を放つ。

偉人の言葉に力を借り、強い意思を大きな矢に込めて大場ななに放つ。

でも大場ななにはこれが全く効かない。

大きな矢を刀一振りで中心から裂き、

「響かない」
「感じない」
「届かない」

3つの視点からの演出、最高に痺れたし、彼女の圧倒的強さを感じた。

大場ななさんがあまりにもかっこよすぎてもっともっと好きになってしまう……!!!(大場なな推し)

大場ななが星見純那を仕留め、勝負あり。

「君は眩しかったよ。」

と星見純那に背を向ける大場なな。

「どうして、どうして過去形なのよ………!」

と涙を流す星見純那。

“言葉”を重要視していた彼女だからこそ「眩し“かった“」はだいぶ刺さったんだろね……見放されたようなこの感じ、見てるこっちもめちゃくちゃ辛かったよ。

「あーあ、泣いちゃった。」

と冷たく見下ろす大場ななさん………恐ろしいけどかっこいいです…痺れます……

偉人たちの言葉の力を借り、弱っている自分を立て直そうとする純那ちゃん。

そして彼女は気付きます。

「……他人の言葉じゃ、ダメ!!!」

彼女はキラめきを取り戻し、自身の口上を口にする。

「殺してみせろよ 大場なな!!!」

言葉が強すぎてびっくりした。

殺してみせろよ……?

同い年の少女に向かって言う台詞にしてはデカすぎるのでは…?

と一瞬戸惑ったけど、デカすぎて良いんです。これで良いんです。これが大場ななが求めていたもの、いやそれ以上で……

これには大場ななも驚く。

「私の知ってる純那ちゃんじゃない……」
「お前は誰だ!星見純那!」

再生産された星見純那。1年前の彼女でもなく、先ほどまでの彼女でもない、未知数のキラめきを伴った彼女に動揺しつつもななは殺陣で優勢を保ちます。

「私の刀、返してよ。」

申し訳ないけどここは面白シーンでした。

えっっっっ自分から刀を差し出したのに????(笑)(笑)になっちゃったよね。

さっきまでの拳を握りしめるくらい力入りながら見てたから「フフフッ」ってちょっと力抜けたわ。ばなナイス♪

「もう幕を下ろして!」
「もう立ち上がらないで!」
「届かない星の輝きの眩しさで何も見えないくせに!」
「私の知ってる純那ちゃんはそんな役じゃない!」

大場ななは「君は眩しかったよ。」で星見純那への執着にケリをつけ終わったつもりでいたからめちゃくちゃ動揺したんだろうな。自分が今まで用意していた役ではない星見純那に畏怖を感じたように見えた。

「あなたが用意した役なんていらない!」
「あなたが用意した舞台なんて、全部切り捨てる!」
「目が眩んでいるのはあなたの方よ!」
「今ここにいる私が眩しい主役!」

「星見純那だ!!!!!!」

舞台の上で自分の全てをさらけ出した純那ちゃん。誰よりも眩しかったです。ぐっちゃぐちゃに泣きました。

私もトップスタァを目指す純那ちゃんが最高にキラめいていて大好きです。

レヴュー終了。

上掛けが落ちたのは、大場なな。

またいつか同じ舞台で、と言い、

「またね、星見純那」
「またね、大場なな」

上手と下手それぞれへと向かう2人。

ここ、仲の良かった2人がお互いをフルネームで呼び合うのがね、もうね、尊いってやつですよ(限界オタクの語彙力)

今思い返すと、TVアニメで愛城華恋に敗れた大場ななを救った言葉が偉人の言葉ではなく、星見純那の口上だったんですよね。

「……やっぱり、眩しい…。」

と涙を流す大場ななさん………………ここ本当大好き……

TVアニメで第九十九回聖翔祭でのスタァライトを『届かなくて眩しい』って言ってたけど、今回のレヴューで眩しいと思っていたものに届いたんじゃないかな。

届いたけどやっぱり眩しい、なのかなって思った。

「泣いちゃった……。」

今度これを言ったのは星見純那。

この2人、お互いに

「私の知ってる(なな/純那ちゃん)じゃない!」
「泣いちゃった……」

っていう台詞を言ってるんですよね。

でもそれぞれ全く別の意味を持った台詞なのが最高に良すぎて……良すぎて……!!!

涙を拭き取り、前を向いて歩き出す大場なな。
お互い一度も振り向かずにそれぞれの次の舞台へと進み、幕が降りる。

あーーーもう感情ぐっちゃぐちゃだわ。

初見時に狩りのレヴューが終わった後、

……え?もしかしてこの後に真矢クロレヴューとかれひかレヴューが控えてるんじゃ……情報過多で脳がフリーズする!!続きは明日にしてくれ!!

って本気で思ってしまった。(笑)

まぁそんなのお構いなしに次のレヴューが始まるんですけどね……

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魂のレヴュー (天堂真矢と西條クロディーヌ)

レヴュー曲:美しき人 或いは其れは

真矢クロのレヴューです。これも見たかったやつ!!!!!!!

舞台の楽屋でどうぶつ将棋をする2人。

西條クロディーヌが入学試験からずっと天堂真矢をライバルだと思っていたことを話す。

でも、いつまでもあなたを追うわけにはいかないからここで勝って次の舞台へ進む、と言う。

それに対して、望むところですと返す天堂真矢。

そして魂のレヴューの開演。

……ヒヨコが可愛くて将棋が下手な天堂真矢さん、かなり可愛いな???

これまでのレヴューって

香子→双葉におこ
まひる→ひかりにおこ
なな→純那におこ

みたいな雰囲気の中でレヴューが繰り広げられてたけど、この2人のレヴューは劇場内に舞台セットが組まれててそれぞれ役者として台詞を言ってるのがわかって、これから彼女たちが観せてくれる舞台はいったいどんなことが起こるんだろうとワクワクドキドキした。

悪魔の男役の西條クロディーヌさん、めちゃくちゃかっこいーな???

ドキドキしてしまった。キュンです。

西條クロディーヌは自分は天堂真矢のライバルだと自覚して同じ舞台に立っていた。それは今回も。

でもここで天堂真矢から「ライバル『役』として自分を高めてくれる、ありがたい存在。」みたいなことを言われてしまう。

これには西條クロディーヌさんもびっくり。というか「は?」だよね。

それにショックも受けたと思うし、こんなの混乱して台詞が止まってしまうやん……

と心配していたのも束の間、「…俺はあんたの『ライバル』だ!!」と力強く台詞を放つ。

天堂真矢に訴えてるようにも、自分に言い聞かせてるようにも見えた。

でも天堂真矢はあなたが超えようとしている私の正体はこれだ、と。何物にもなれる空っぽの、神の器だ、と。ブリキの鳥の舞台セットが出てくる。

そして、

英雄には試練を
聖者には誘惑を
あんたには悪魔を
私には悪魔を

と2人が舞台でいろんな役を演じてる映像が流れたり、額縁が入れ替わるたびに天堂真矢が演じる役も変化していってみたいな演出があるんだけど、これ、円盤発売後にワンシーンずつ止めて確認してもそれぞれ何の役で何の物語なのか私にはわからないんだろうな……演劇関連の知識がもっとあればいろいろな意味に気づけたかもしれないのにな、と思うとめちゃくちゃ悔しい…………

自分が超えたいと思っていた存在が空っぽの器だと知って動揺を見せる西條クロディーヌ。

天堂真矢はその隙に主導権を握り、そのまま西條クロディーヌ上掛けを外してレヴュー終了。

と思いきや、西條クロディーヌは寝そべったまま髪をかき上げ、高らかに笑い出す。

ここ、目がいい感じに隠れてるかつ、パンツスタイルの衣装なので脚がスラ〜と長いのがよくわかって最高にかっこいい。

更に口の中から舌を使って「んぁっ!」って上掛けのボタンを出す。

そのドヤッとした顔も含めてホント、あの、最高です。興奮しました。

そして

空っぽの神の器?笑わせてくれるわ。」
「あんたは神の器でも空っぽでもない。」
「奢りも誇りも嫉みも憧れもパンパンに詰め込んだ欲深い人間よ!」

〜〜!!!かっこいい〜〜〜!!!!

というか、よくぞ言ってくれた!感があった。

天堂真矢は演劇界のサラブレッド。倍率が鬼ヤバの聖翔音楽学園の中でも特に高尚な存在。

常にトップであることが当たり前。そんな自分だから神の器だと言い切っても誰も疑わないし、そうであるべきだと天堂真矢自身も思ってたのかな。

本当はそんなことないのに普段からそう演じ続けなくてはいけない環境だったのかもしれない。

でもそれは違う、と。むしろ他人よりもデカい感情を持ってる欲深い人間だ、と『ライバル』である西條クロディーヌが指摘してくれた。

そして、

「死んでも死んでも私は蘇る!」
「天堂真矢!『ライバル』であるあんたをねじ伏せるために!」

と舞台道具の剣を自分の心臓に刺し、レヴュー上から消え、再び舞台上に現れます。

ここで『舞台少女の死』と『アタシ再生産』の意味をようやくわかった気がした……。

『列車は必ず次の駅へ。では舞台は?私たちは?』

『私たちはもう舞台の上。』

この真意にも近づけたと思う。

今までの天堂真矢の『ライバル“役”』だった自分が死に、天堂真矢の『ライバル』として自身を『再生産』し、舞台の上に立った西條クロディーヌ。

動き出す舞台装置。

「こんなに欲望まみれの感情が剥き出しのまま舞台の上に立つなんて」と天堂真矢。

「観客が見たいと望んでるのはそれよ!」と西條クロディーヌ。

そして、

「あんた、今までで1番可愛いわ!」

「私は、いつだって可愛い!!!」

かっ可愛い〜〜〜〜!!!!!!!
This is 天堂真矢〜〜〜!!!!!

感情剥き出しの天堂真矢さん……

役者として見られる側である彼女たちは多少ナルシストな一面も持っていても違和感ないんだけど、「私はいつだって可愛い」なんて自分を肯定する最上級の言葉を舞台上で発言する天堂真矢さん……最高に可愛いです……そんなあなたを見られて嬉しいです…………

クソでか感情とクソでか感情がぶつかり合うレヴュー。

剣を交わすたびに繰り広げられる2人の関係性。

「あなたがいればもっと高く!」
「あんたが私をより美しく!」
「真矢!」
「クロディーヌ!」
「英雄には試練を!」
「聖者には誘惑を!」
「「私にはあなたを!!!」」

まさに魂のレヴュー

またしてもぐっちゃぐちゃに泣いてしまった。

2人の感情がガンガン突き刺さってくる。

痛い、苦しい、でも美しくて眩しくて、魅入ってしまう。

最高の舞台を観てしまった……………

そして終盤。

相手の上掛けを取ったのは、西條クロディーヌ。

「西條クロディーヌ……あなたは、美しい。」

天堂真矢の目に映る西條クロディーヌは額縁の中に収められているかのように美しくキラめいていた。

レヴューが終わる。天堂真矢に勝利した西條クロディーヌ。

でも「次は負けません。」と天堂真矢。

「ライバルのレヴューは永遠に終わらない。」

そして

「「私たちは共に燃えながら落ちていく炎」」

ヤバ
言葉にできない
良 良 良
ありがとうございます。
ありがとうございました。

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総括

今回も情報量(笑)

クソでか感情レヴューを浴びすぎて記憶があったりなかったりなので台詞とか違うかもしれない。

でもいいのよ。“感じる”ことができればオッケー!

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