『劇場版少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト』 感想と考察④ 最後のセリフ【ネタバレ注意】

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画像引用:少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト

映画『劇場版少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト』の感想と考察③の続きです。

この記事で最後!

!!注意

以下の内容は映画『劇場版少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト』のネタバレを含みます。
未鑑賞の方はご注意ください

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最後のセリフ (愛城華恋と神楽ひかり)

レヴュー曲:スーパースタァスペクタクル

華恋とひかりのレヴュー。

『少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト』はこの2人の物語が軸だと思っていて、

今回は2年生の時にやっと一緒にスタァライトできたね。

じゃあその後は?どうなるの?

って視聴者側の私も思ってた。

華恋とひかりの2人については、今まで書いてきたレヴューの間に少しずつ回想があったんだけど、全て華恋視点なんですよ。

よくよく考えたら、TVアニメでひかりの回想はあったけど、華恋の回想って約束タワーくらいしか描写がなかった。

というか愛城華恋がどんな少女なのかがあまり描かれてなかった。

でも、劇場版で華恋がどのようにして舞台少女になったのかが描かれてる。

なんとなくだけど、華恋は幼い頃から光属性の明るい陽気キャラで、逆にひかりは大人しめのちょっとクールキャラだったんだろうな〜ってよくある女子高生アニメの設定と同じように思ってたんだけど、まぁこれが大外れ。逆だったわ。

人見知りだった華恋。ひかりと邂逅し、徐々に2人の距離が近づく。

そんなある日、というか2006年5月、ひかりは華恋に手紙を書いてきた。それはスタァライトの舞台観劇の誘いだった。

ひかりのそこそこ強引な誘いに多少引きつつも一緒にスタァライトを観にいく約束をした華恋。

華恋が頷いた後に「決まり〜〜〜!!」とその場をくるくると回る神楽ひかりさん、無邪気で明るい可愛い子でちょっとびっくりしてしまった。今の神楽ひかりとだいぶ印象が違うけど、これはこれで可愛い。

そしてスタァライトを観劇した2人。

いつか2人で同じ舞台に立ち、スタァライトを演じる約束する。

ひかりがロンドンへ引っ越すことになり、華恋が駄々をこねてるとひかりに「次に会う時は舞台の上!それまで華恋とは会わない!」と言われてしまう。

華恋は更に大号泣。そして、

「お手紙は…?」
「わたしが書くだけだから」
「ひかりちゃんからは出さなくていいから」

と自ら提案し、ひかりはそれに応じます。

「うん!約束!」
「違うよ!」
「これは『運命』」
「わたしたちは『運命』の舞台に立つの」

それぞれ王冠とクロスハッチの形をした髪留めを交換。

このシーンはTVアニメでもありましたね。

ひかりがロンドンに行ってから華恋は劇団に入り、何度も舞台の上に立った。

思春期ど真ん中でも、放課後に友達とミスドに行って時間を忘れるほどダベったり、楽しい修学旅行の計画をみんなで考えたりする時間を犠牲にし、『いつかひかりとスタァライトをする』ためにボイトレやレッスンに明け暮れる毎日を過ごした。

ひかりの母から手紙や写真が届いても見ないようにしていた。

叔母にスマホで調べないの?と聞かれてもしないようにしていた。

『見ない、聞かない、調べない』

誰に言われたでもない、自分で勝手に決めた自分ルール。

『運命』だからと自分に言い聞かせてたけど、ある日ついに『神楽ひかり』で検索をかけてしまう。

そして世界一入学するのが難しいとされるイギリスの名門、王立演劇学院に合格したことを知る。

その後、華恋は倍率30倍の聖翔音楽学園に入学。後に神楽ひかりが転入してくる。

ここまでがこのレヴューの前提。

ひかりと同じ舞台の上に立ったことを喜ぶ華恋。

それに対して「それは『幼い思い出の日々』の舞台?それとも……」と冷たく返す神楽ひかり。

愛城華恋はここで、初めて自分が舞台の上にいることを自覚します。

「誰かに観られてる気がする。」
「客席ってこんなに近かったっけ…?」
「舞台の上って、こんなに怖いの…?」

TVアニメでもありましたが、こちら側(視聴者)に話かけるような演出はゾワゾワしましたね。

こども劇団で舞台の上に立った時も、九九組のみんなと創った舞台の上でもそれを『舞台の上』であることを意識していなかった。

他の舞台少女たちは『トップスタァになる』『舞台で生きていくみたい』に『舞台の上に立つ自分』を意識してクソでか感情をぶつけ合っていたけど、愛城華恋が今まで舞台の上に立ち続けた理由は『ひかりと一緒にスタァライトをする』ためだけだった。

だから愛城華恋だけ『皆殺しのレヴュー』に参加しなかったのかもしれない。

参加資格がないというよりは、そもそもケリをつけるものがない。彼女が舞台の上に立つ理由が『ひかりと一緒にスタァライトする』で、それだけでここまできたから。

『ひかりとスタァライトをする』がなくなったら自分はどうすればいいの?私って何?

と混乱し、愛城華恋はここで初めて舞台少女としての死にます。

2人で初めてスタァライトを観劇した時、神楽ひかりはその眩しさに圧倒され、舞台少女として生きていくことを諦めようと考えていた。でも、愛城華恋が「一緒にスタァライトしよう」と誘ってくれたことがきっかけで舞台少女神楽ひかりはそこで再生産された。その約束がきっかけで舞台少女愛城華恋が生まれた。

同じタイミングで舞台少女として生まれた2人はまさに『運命』。

神楽ひかりはロンドンで一度キラめきを失うけど、愛城華恋との約束を思い出して再生産できた。
でも華恋は?舞台に立つ理由がなくなった彼女は?

『競演のレヴュー』で「華恋のファンになってしまうのが怖かった」と明かし、華恋と向き合う覚悟を決めた神楽ひかり。でもここで、今まで舞台に立つ理由がなくなった愛城華恋は再生産されず、神楽ひかりの前から永遠にいなくなってしまうのでは?

そんな思いもしなかった恐怖が神楽ひかりを襲う。

「お願いよ 華恋 目を覚まして」
「2人の約束 思い出して ねぇ」
「信じているの」
「ここでさよならの『運命』じゃないわ」

TVアニメでは華恋がひかりに2人の約束を思い出して!と探して迎えに行ってたけど、劇場版は逆になってる。

「また私から手紙を書くわ」

愛城華恋は奈落に落ち、ひかりとスタァライトをするために犠牲にしてきた普通の女の子の喜びや楽しみ、そして、神楽ひかりから送られたあの唯一の手紙を燃料に、舞台の上に愛城華恋が再生産される。

煌びやかなスポットライトの元、2人の舞台少女がそれぞれの舞台で口上を言う。

星屑落ちて 華は散っても
キラめく舞台に 生まれて変わる
新たな私は 未知なる運命
新たな私は まだ見ぬ戯曲
愛城華恋は 舞台に1人
愛城華恋は 次の舞台へ
生まれ変わった光を胸に
命が求める新たな血肉
歌い 踊り 奪い合う
それが野生の本能ならば
99期生 神楽ひかり
運命は変わる 舞台もまた

またまた号泣です。号泣ですよこんなの魅せられたら。

本当の意味で涙で画面が見られなかった。

ずっと『“2人”でスタァライトする』を目的としていた愛城華恋さんが

『愛城華恋は舞台に1人 愛城華恋は次の舞台へ』

って言ってるのヤバすぎ。

舞台の上で生きていく新しい『運命』を覚悟した愛城華恋と、変わった『運命』と向き合い歌って踊って奪い合うことを決めた神楽ひかり

2人の『運命』のレヴューが始まる。

そして勝ったのは、神楽ひかり。

短剣を胸に突き刺された愛城華恋が放つ『最後のセリフ』

「私も…“ひかり”に負けたくない」

このセリフにいろんな意味がこもっててもう感情グッチャグチャ。

愛城華恋も神楽ひかりのファンになってしまうことが怖かったのかな、とか

神楽ひかりを超えてトップスタァになりたいって思ったのかな、とかいろいろ考えさせられる……

愛城華恋と露崎まひるは『親友』
神楽ひかりと露崎まひるは『ライバル』
愛城華恋と神楽ひかりは『運命』

その『運命』はたった一つではないし、変化していくもの。

2人の『約束』の象徴だった約束タワーが崩壊し、

「終わっちゃった……私たちのレヴュー『スタァライト』が…。」

はい、ここでタイトル回収です。

意味を理解し更に号泣です。ずっと泣いてんな私……

愛城華恋と神楽ひかり、そして他の7人もそれぞれ次の舞台へと向かう。

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エンディング

曲:私たちはもう舞台の上

聖翔音楽学園卒業後、神楽ひかりがみんなに会いにいく様子が描かれていました。

天堂真矢、露崎まひる、石動双葉の3人は揃って新国立第一歌劇団に合格。

花柳香子は京都に戻り十二代宗家「花柳彗仙」襲名。

西條クロディーヌはフランスへ。

この5人は序盤の進路希望通り。

星見純那はアメリカに留学。大場ななはイギリスに留学。

この2人の進路が変わったのがここでわかります。

大場ななは神楽ひかりが通っていたう王立演劇学院に留学したことに対し、星見純那はイギリスから独立し発展していったアメリカへ留学したの図がかなり良きです。

愛城華恋と神楽ひかりの進路はこのエンディング内では明かされなかったけど、『私たちはもう舞台の上』のジャケ写を見て、進路別に舞台少女たちが描かれていると予想できることから、神楽ひかりは王立演劇学院に復学したと想像できる。

世話焼きでみんなのばななだった大場ななと部屋の片付けが苦手な神楽ひかりが同じ環境で稽古していると思うといろいろ想像できてそれもまた楽しい。

そして、愛城華恋。彼女の進路だけは不明のまま。

エンディング後、何かのオーディション会場にいる愛城華恋。

「愛城華恋、みんなをスタァライトしちゃいます!」

1人で次の舞台へと進んだ彼女。彼女が次に立つ舞台はいったいどんなものなのか。それを想像したくなるような、そんな余韻を残して終了。

ホント、ありがとうございました。

心の中でスタンディングオーディションしまくった。

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総括

やっと書き終わった!

予定よりも長々と書いてしまった。

好きなシーンがありすぎて考察というよりも一つ一つのシーンを書き出して、あれはこうだったこれはこう思ったみたいに書いていったからほどんどネタバレになってしまった。

実際のセリフとちょこちょこ違うものがあると思いますがそこはスルーしていただければと……

『少女⭐︎歌劇レヴュースタァライト』という作品に出会えて本当に幸せです。

劇場版で彼女たちは卒業してそれぞれの舞台へと進みましたが、もっと彼女たちのレヴューを見ていたかったとか、学園在学時のスピンオフが見たいとかいろいろ思うことはあります。

でもTVアニメ12話と劇場版で納めたからこそ彼女たちのキラめきを眩しくて美しいと感じられたのかなとも思います。

あ〜でもやっぱりまだ感じていたい。まだ眩しいですね。

2年時の大場ななのように再演を望んでしまう自分がいる……

THE LIVEは続編ありそうだけど、アニメーションの方はどうなんだろう……

彼女たちの物語のその先を見たい気持ちと、これで本当に完結!これが1番ベストな終わり!これ以上はないよ!って気持ちとでめちゃくちゃ葛藤してる。

もうとにかく最高でした。

ストーリー構成、キャラクター、演技、演出、音楽、全てが最高でした。

本当に感謝しかできないです。素敵な作品をありがとうございました。

12月に発売される円盤楽しみにしています。

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